七五三のご祈祷は、どの神社・お寺にするか迷っている方もいませんか。
子どもの健やかな成長の感謝と祈願をする場所だからこそ、しっかり選びたいですよね。
そこでこの記事では、七五三の神社・お寺の選び方を紹介します。
そもそも神社とお寺の違いって何?
七五三では、どっちの方がいいの?
といった疑問を解消していきます。
合わせて、神社とお寺の正しい参拝方法とご祈祷のマナーも解説しています。
ぜひお役立てください。
神社とお寺の違い
神社とお寺は宗教が違う
元となる宗教が異なり、神社は神道(しんとう)、お寺は仏教です。
日本では神様も仏様も同時に信仰するという「神仏習合」の生活様式が長く続いていました。
神仏を分けて考えるようになったのは、明治時代になってからなのです。
とはいえ、現在も神様と仏様への信仰は日本人の生活に浸透しています。
お正月は神社に参拝、お葬式は仏式葬儀を行うという方も多いのではないでしょうか。
神社
神道では、生まれた土地の神様が子どもの成長を見守ると言われ、七五三は氏神様が祀られている神社への参拝が広く親しまれています。
お寺
お寺の教えは仏教であり、お寺でも七五三のご祈祷が可能です。
神道は神様が子どもを守るのに対し、仏教はご先祖様が子どもを守ると言われています。
お寺での七五三は仏様、ご先祖様に見守っていただきながらお坊さんにご祈祷してもらうことができます。
七五三はどちらでもOK!
七五三の参拝は、神社・お寺どちらでも問題ありません。
神社での七五三の方が周知されていますが、感謝とご加護を祈る対象は、神様だけでなく仏様やご先祖様でもよいのです。
感謝とご加護をいただけるように祈りたいところへ参拝しましょう。
神社・お寺の選び方のポイントは?
近所の氏神様
七五三は地元の神社、その土地に祀られている氏神様がいる神社へ参拝するのが一般的です。
転勤や引越しで居住地が変わり、現在の居住地の氏神様が分からないという方もいるでしょう。
氏神様を知るには、各都道府県の神社庁もしくは全国の神社をとりまとめる神社本庁に問い合わせをすることで知ることができます。
郵便番号で検索できる便利なWEBサイトもあるので、活用してみてください。
地域の格式が高い神社
知名度の高い、比較的大きな神社に訪れる方も多いです。
どの神社に行くか迷っている方は、格式の高い神社を選ぶのもよいでしょう。
神社には社格と呼ばれるランクがあります。
【神宮】
最高格とされる日本国民の総氏神「伊勢神宮」の他、「明治神宮」、「熱田神宮」など最も格式が高い神社の称号です。
【宮】
徳川家康公の「日光東照宮」、菅原道真公の「太宰府天満宮」など神宮に次いで高い格式がある宮です。
【大神宮】
伊勢神宮への参拝と同様の意味を持つ「東京大神宮」の特別な社号です。
【大社】
「出雲大社」のみを指す称号でしたが現在は全国に24社あり、全国にある分社の総本社です。
【神社】
最も一般的な社号です。神社庁に登録されている神社の数は全国に約8万社以上あると言われています。
【社】
神社の中で最も規模が小さいものを指します。
その他に、各地域を代表する最も社格が高い一宮(一の宮)と称する神社が全国各地にあります。
人生儀礼である七五三は、地域を代表する神社や崇敬する神社にお参りするのもよいでしょう。
大きな神社では、衣装・着付け・写真撮影がセットになった七五三プランが用意されているところもあります。
家族に縁や馴染みがある神社・お寺
安産祈願、お宮参り、七五三と子どもが生まれる前から、同じところへ参拝する方もいます。
同じ神社・お寺を訪れることで、子どもの成長を共に見守ってもらえている安心感がありますよね。
いつか子どもが大きくなり記念写真を見たときに良い思い出になるでしょう。
知っておきたい神社とお寺の参拝マナー
神社の作法
神社参拝の仕方は、以下のような流れとなります。
- 鳥居の前で一礼します。
- 参道の真ん中は神様の通り道なので、端を歩きましょう。
- 手水舎で手と口を清め、拝殿にお参りします。
- お賽銭を入れた後に、鈴があれば鳴らして二拝二拍手一拝(二礼二拍手一礼)
- 帰るときは、鳥居の前で本殿に向かって一礼します。
お寺の作法
お寺参拝の仕方は、以下のような流れとなります。
- お寺の山門の前で一礼、または合掌をしてから門をくぐります。
- 手水場で手と口を清めます。
- ろうそくや線香があれば献灯と献香をして、煙で身を清めてから本堂に進みます。
- お賽銭を入れ、手はたたかず合掌一礼。
- 最後に山門を出る際、本堂に向かって一礼します。
七五三のご祈祷の流れは?
ご祈祷の予約の有無を確認
七五三シーズンのご祈祷は、混雑するので予約をしておくと安心です。
1家族につき昇殿人数の制限を設けていたり、七五三のご祈祷を行える時期が決まっている神社・お寺もあります。
事前にホームページを確認しておきましょう。
初穂料を用意
初穂料とはご祈祷の際にお供えする謝礼金で、一般的には子ども1人につき5千円〜1万円程度が相場です。
初穂料にはいくつかのマナーがあり、その場で財布からお金を出すのはNG。
水引のあるのし袋を用意しましょう。
安産祈願やお宮参りと同様に子どものお祝い事は何度あってもよいものなので、水引は紅白・蝶結びを選びます。
表書きは下記のように書き記します。
上段
- 神社の場合は「初穂料」、「玉串料」
- お寺の場合は「御祈祷料」、「お布施」
下段
- ご祈祷を受ける子どもの氏名
初穂料と玉串料の違い
「初穂料と玉串料どっちで書くべき?」といった質問がよくありますが、どちらも神様に捧げるものとして意味合いは同じです。
しかし、初穂料は慶事にのみ使用することができ、お葬式などの弔事の際には使用しません。
一方、玉串料は弔事の際にも用いられることから、どちらでも問題はありませんが初穂料と書く方が無難です。
ご祈祷の手順
ご祈祷の内容は神社によって異なりますが、代表的なご祈祷の流れを解説します。
受付→修祓→祝詞→玉串拝礼→お下がり授与
まず、お祓いを受け心身を清めます。
続いて、神職がお願い事を神様へ伝える祝詞を奏上し、玉串を捧げます。
最後に千歳飴やお守りなどのお下がりが授与されます。
玉串拝礼の作法
玉串拝礼は、玉串を神様に捧げて拝む行為です。
玉串は榊の美称であり、榊には神様が宿るとされています。
以下では玉串拝礼の正しい作法を解説します。
①神職から玉串を受け取ったら、軽くお辞儀をします。
玉串は右手は上から、左手は下から持ち、胸の高さで左手の方を高く持ちます。
②玉串を捧げる机の前に進み一礼。
玉串を時計まわりに90度回して玉串の根元を手前(神前向き)にします。
左手を下げ祈りを込めます。玉串を机の上に置き、二拝二拍手一拝し再び深く頭を下げて退きます。
まとめ
いかがでしたか。
七五三の神社・お寺選びについてまとめました。
- 七五三のお参りは神社とお寺どちらでもOK
- 神社とお寺は祈願する対象が異なり、神社は神様、お寺は仏様やご先祖様
- 地元の氏神様への参拝が広く親しまれている
- 地域を代表する神社や家族に馴染みのあるお寺を選ぶのもOK
地元の神社、有名な神社、お寺での七五三。
それぞれに良さがあります。
どの場所を選んでも、七五三の晴れの日を家族でお祝いすることがなによりの思い出になるでしょう。